この記事を書いた人
氏名:延廣学(のぶひろまなぶ)
役職:管理本部 品質管理室 課長
資格:NACE COARTING INSPECTOR L-2、ISO9001:2015 管理責任者、化学物質管理責任者
ショットブラストは、工業製品の表面処理に使われる重要な技術です。しかし、他の似たような技術との違いや、具体的な特徴が分かりにくいことがあります。ここでは、ショットブラストに関するよくある質問を5つ紹介し、それぞれの疑問に対する答えを分かりやすく解説します。
ショットブラストの特徴は?
ショットブラストは、製品の装飾や美観仕上げのために利用されることもありますが、一般的に塗装前の鋼材の下地処理のために行われます。
加工を行うことで対象物の表面に小さな凸凹ができ、塗装が密着しやすくなり、錆が進行しづらくなります。
また、研掃材として使用される鋼球(スチールショット)は、珪砂よりも硬度が高いため、サンドブラストよりも効果的に固着した錆や汚れを除去することが可能です。
ショットブラストをするのはなぜ?
ショットブラストの主な目的は、錆の進行を防ぎ、塗装を長持ちさせることです 。
ニホンケミカルが手掛けるショットブラストは、長期に渡って塗膜による鋼材の保護が必要なところに使用されています。
橋梁、造船、電力プラント、LNGタンク、海洋構造物、美観を重視した建物などで技術が活かされています。
ショットブラストとサンドブラストの違いは?
「ショットブラスト」「サンドブラスト」では、加工対象物に投射する(打ち付ける)研掃材が異なります。
ショットブラストは細かな鋼球(スチールショット)、サンドブラストは珪砂という種類の砂などを投射します。
ニホンケミカルでは、鉄鋼素材に対し、自動ライン(ローラーコンベア式)によるスチールショットブラスト加工と手動ブラスト(エアーブラスト)によるグリットブラスト加工を行っています。(※サンドブラストには対応しておりません。)
サンドブラストの特徴は?
サンドブラストでは、大型のブラスト室を使用するため、建築用資材や工場設備、タンクなどのサイズの大きな対象物を加工することができます。
また、サンドブラストは摩擦係数が低いため、表面粗さを抑えることが可能であり、母材を傷つけずに滑らかな仕上げが可能です。他の研掃材と比較して、サンドブラストで使用されるものは安価で軽量のため扱いやすいのがメリットです。しかし、砂であるため形状維持が難しく使いまわしがしにくいというデメリットもあります。
ショットブラストとショットピーニングの違いは?
ショットブラストとショットピーニングは、どちらも金属表面に投射材を衝突させる表面処理技術ですが、目的と効果が異なります。
ショットブラストは、金属表面を粗くしたり、錆や汚れを除去したり、装飾性を高めたりする目的で使用されます。また、塗料やメッキの密着性を向上させる効果もあります。
一方、ショットピーニングは、金属表面に圧縮応力を導入することで、疲労強度や耐摩耗性を向上させる目的で使用されます。
ニホンケミカルでは 、全国8工場 (9生産ライン) を保有しています。薄物 (厚さ2.3mm) から大型(高さ1,000mm) のものまで、さまざまな大きさの鋼材や、異型の鋼材も高精度に表面処理することができる生産ライン、機械設備を備えております。
まとめ
ショットブラストは、金属表面の清掃や仕上げに非常に有効な技術です。ショットピーニングやサンドブラストといった類似の技術との違いを理解することで、用途に応じた最適な処理方法を選ぶことができます。今回紹介した5つの質問と答えを参考にして、ショットブラストの基礎を学び、より効果的に活用してください。これにより、製品の品質向上や生産効率の向上を図ることができます。
ショットブラスト加工や塗装についてお悩みの皆さま、思い立った時に気軽に相談できる先はありますか?
「まず、誰に相談したら良いのだろう…」
「まだ発注すると決まった訳ではないけどお問い合わせしても良いのかな…」
「できれば、金属表面処理加工に詳しい人に話を聞いてもらいたい…」
そんな時こそ、お気軽にご相談いただけるように、ニホンケミカルではショットブラスト加工や塗装に関する無料相談を実施しています。