基礎知識

ミルスケール(黒皮)とは?特徴や除去方法について解説

ミルスケール(黒皮)とは?

鉄板などの鋼材は、高温の状態で何度もローラーにかけられ薄く引き延ばされて製造されています。この加工方法のことを、熱間圧延(ねつかんあつえん)と呼びます。

そして、熱間圧延の過程で生成される鉄の酸化物被膜のことを「ミルスケール(黒皮)」といいます。

鉄が高温に加熱され、空気中の酸素と反応することで「ミルスケール(黒皮)」が生成され付着します。

製鉄所から仕入れる鋼材の表面は、通常「ミルスケール(黒皮)」で覆われており、この状態のまま使用される鋼材は、「黒皮材」と呼ばれています。

また、ミルスケールは、英語で表記すると「mill scale」であり、これを直訳すると「製鉄所で(mill)付いた、うろこ(scale)」となります。

製鉄所で生成される、うろこ状の錆であるため「ミルスケール(mill scale)」と呼ばれているのです!

ミルスケール(黒皮)の特徴について

ミルスケール(黒皮)には、下記のような特徴があります。

  • 被膜の厚さは不均一である
  • 表面がツルツルしている
  • 肉眼では見えない小さな穴が空いている
  • ひび割れが生じている

これらの特徴のため、塗装の密着性が悪く下地には向きません。

ミルスケール(黒皮)の上から塗装するとどうなるか?

それでは、ミルスケール(黒皮)の上から塗装すると、どうなるのでしょうか?

ミルスケール(黒皮)の上から塗装を行うと、時間の経過とともに塗膜がはがれてしまったり、塗膜内部に錆が発生し表面が膨れてしまったりします。

これらは、塗装が長持ちしない原因となります。

ミルスケール(黒皮)の除去方法

塗装を長持ちさせるためには、ミルスケール(黒皮)を除去し、錆の進行を防ぐ必要があります。

ミルスケール(黒皮)の除去方法のひとつが「ショットブラスト加工」です。

ショットブラスト加工とは?

ショットブラストとは、加工物(金属など)の表面に投射材(細かい砂や鋼製・鋳鉄製の小球)を吹き付けたり衝突させたりすることで、表面に小さな凸凹を作り、表面を粗くする加工方法のことです。

この加工により、ミルスケール(黒皮)を除去することができます。また、鉄の表面に小さな凸凹ができることで、塗装の密着性が向上します。

この結果、塗装内部の錆の進行を防ぎ、塗装を長持ちさせることができるのです。

ショットブラストについては、下記の記事で詳しく解説しています!ぜひチェックしてみてください!
【図解】ショットブラストとは?目的、効果、仕組み、種類をわかりやすく解説ショットブラストについて、基礎から知りたい方へ向けた解説記事です!ショットブラストの目的、効果、仕組み、種類などについて図解を交えてわかりやすく説明します。...

 

特にミルスケール(黒皮)の除去が必要な場合とは?

特に、長期にわたって塗膜による鋼材の保護が必要な場合には、ミルスケール(黒皮)を除去し塗装を行う必要があります。

下記のような構造物に対しては、ショットブラスト加工を行った鋼材を使用しましょう。

  • 橋梁
  • 造船
  • 電力プラント
  • LNGタンク
  • 海洋構造物
  • 美観を重視した建物

まとめ

ここまでで解説したミルスケール(黒皮)について、簡単にまとめてみます!
  • 鋼材の製造過程で生成される、鉄の酸化物被膜のことを「ミルスケール(黒皮)」という
  • ミルスケール(黒皮)は、塗装の密着性が悪いため、下地には向かない
  • ミルスケール(黒皮)の上からの塗装は、赤錆の発生や塗膜剥離の原因になる
  • 塗装を長持ちさせるためには、ショットブラスト加工を行い、ミルスケール(黒皮)を除去させる必要がある
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